鈴木法相、省職員全体に月餅配布 選挙区の有権者もいた可能性

記者会見する鈴木法相=18日午前、国会

 鈴木馨祐法相(衆院比例南関東)は18日の閣議後記者会見で、法務省職員全体に菓子を1月下旬に配布したと明らかにした。関係者によると、中国菓子の月餅の菓子折りだった。公選法は選挙区内の有権者に対する物品の寄付を禁じており、職員には有権者もいた可能性がある。鈴木氏は「国会が始まるタイミングで、職員への慰労や激励の趣旨で差し入れた」と釈明した。

 関係者によると、菓子折りは月餅3個入りで、包装には法務省の赤れんが棟の絵が描かれていた。鈴木氏は会見で、私費での購入だったとした上で「差し入れということに尽きる。詳細を答えるのは差し控える」と述べ、詳しい個数などは明言しなかった。

 立憲民主党の小川淳也幹事長は「公選法の規定を無視し、買収疑惑につながりかねない事態だ。極めて責任が重い。場合によっては辞任に値する」と述べた。

 鈴木氏は財務省出身で現在6期目。自民党麻生派所属で、財務、外務副大臣を歴任した。昨年10月の衆院選では神奈川7区(横浜市港北区)で野党候補に敗れたが、比例復活し、11月に初入閣した。

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