ミャンマー政変4年、市民無力感 軍政権抗議の投稿ほぼ確認されず

買い物客でにぎわうミャンマーの最大都市ヤンゴンの市場=1日(共同)

 【ヤンゴン共同】ミャンマー国軍による2021年のクーデターから、1日で4年が経過した。民主派団体は昨年、軍事政権に抗議の意思を示すために外出や社会活動を停止する「沈黙のスト」を呼びかけたが、今年はインターネット上で関連投稿がほとんど確認されなかった。団体メンバーは「市民は無力感を募らせており、安全にも配慮した」と説明した。

 クーデターではアウンサンスーチー氏(79)の民主政府が転覆。市民の抗議活動に国軍が武力で応じ、内戦状態につながった。混乱は長期化しているが、最大都市ヤンゴンでは1日朝、市場に通常通り買い物客が訪れており、地元のタクシー運転手の男性は「警察の数が昨年よりも減った。抗議活動への警戒レベルが下がったのかもしれない」と話した。

 ヤンゴンに住む20代女性は「長時間の停電や徴兵の恐怖で、抗議どころではない。抵抗の意思を示すより、どうやったら国から出られるかを必死で考えている」と語った。ネット規制も強化され、交流サイト(SNS)はつながりにくくなっている。

2024年3月、ミャンマーの首都ネピドーで実施された国軍記念日のパレードで、車に乗って登場したミンアウンフライン総司令官(共同)
ミャンマーの首都ネピドーで開かれた軍事政権幹部らの会合=1月31日(The Myanmar Military True News Information Team提供・AP=共同)

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