
「自宅で手軽に調理できる商品を作りたい」。家電などを手がけるライフオンプロダクツ(大阪市)が2020年5月に発売した「プリズメイト サラダチキンメーカー」が好評だ。開発を担当した西岡裕二(にしおか・ゆうじ)さんにヒットのヒントを聞いた。(共同通信=増井杏菜記者)
低温調理で手間のかかる一品がボタン一つで完成する。2025年1月時点での販売価格は5610円。
筋トレブームや健康意識の高まりを背景に、高タンパク質で低カロリーなサラダチキンが普及している。「一般的な鍋だと、温度調整が煩わしい。専用家電で需要に応えたい」と考案。発売から1年の販売数量は目標比で約2.5倍。現在も好調に推移している。
内鍋に水と味付けした生の鶏肉1枚(250~300グラム)を入れ、ふたをしてボタンを押すだけ。火加減や時間管理は不要。2時間でできるやわらかモードのほか、20分で作れるスピードモードも設けた。鶏肉にしっかり火を通しつつ、ぱさつかないようにするのに苦心した。「温度の上げ下げのタイミングなど、100回以上繰り返し調整しました」。魚料理なども含めた50種類のレシピもつけた。保温もできる。
顧客から「簡単なのに仕上がりがしっとりしている」との声が上がる。サラダチキンと同時にゆで卵や蒸し野菜などができる蒸し器を搭載したタイプも発売。鶏肉のみなら2枚同時に調理、炊飯もできる。「忙しい毎日に活用してほしい」。西岡さんは大阪府出身、43歳。
