日米、対中国で指揮統制連携強化 災害物資の備蓄へ協力

エマニュエル駐日米大使

 エマニュエル駐日米大使は5日、東京都内で記者団の取材に応じ、日米が目指す自衛隊と米軍の指揮統制の連携強化について、台湾有事も念頭に中国をにらんだ動きだと述べた。インド太平洋地域で起きた自然災害の被災地を迅速に支援するため、日米が協力して医療物資などを共同保管する拠点を整備することも明らかにした。

 ワシントンで10日に開かれる日米首脳会談は、日米の安全保障政策や戦略的展望が大きく変わる中で「新時代の最初の章になる」と位置付けた。

 日米両政府は自衛隊と米軍の相互運用性向上に向けた指揮統制の見直しで合意する方向。エマニュエル氏は「20年前とは異なる中国」が台湾への圧力を強め、尖閣諸島周辺や南シナ海などで示威的行動を強めていると指摘し、これに対応するためには指揮統制の在り方に「新たなやり方」が必要になると語った。

 災害時の支援物資備蓄拠点を巡っては、場所は決まっていないものの、医療物資やテント、飲料水などを保管すると説明。備蓄拠点を設けることで迅速で効率的な国際支援が可能になると強調した。

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