中学生の集団避難、楽観と戸惑い 親子で交錯、長期化への不安も

石川県白山市への集団避難を前に、両親の見送りを受ける中学生=17日、石川県輪島市

 能登半島地震で被災した石川県内の一部の中学生が集団避難を始めてから31日で10日~2週間。同級生との共同生活に「一緒にいられてうれしい」と前向きに捉える生徒もいる一方、避難先でのわが子の暮らしぶりが分からず戸惑う親も。県は避難を「最長2カ月」としているが、地元での生活基盤の確保に見通しが立たない状況で、長期化への不安も付きまとう。

 「避難所にいた時よりずっといい」。1月21日に金沢市の県立施設へ避難した珠洲市立宝立小中の中3泉アサキさん(15)は話す。地震直後に寝泊まりした通学先の校舎では、カップ麺中心の生活だった。施設では手作りの食事が1日3食出る。「困ることと言えばテレビが見られないことくらい」

 1月17日に白山市に集団避難した輪島市立輪島中。中1の息子と10日ぶりに再会した40代女性は「学校からの広報がほとんどない。情報が遮断されている気がする」と漏らす。

 集団避難しているのは珠洲、輪島両市と能登町の希望した約400人。インフラ復旧が遅れれば、4月以降まで長引く可能性がある。

金沢市の施設へ集団避難する中学生を見送る保護者ら=21日、石川県珠洲市

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