【ソウル共同】韓国のソウル中央地裁は26日、日韓関係の悪化を懸念した朴槿恵政権(2013~17年)の意向を受けて元徴用工訴訟の最高裁判決を遅らせたとして職権乱用などの罪に問われた元最高裁長官、梁承泰被告(76)に、無罪を言い渡した。最高裁長官が裁判に介入する権限自体がなく、職権乱用罪は成立しないと指摘した。
地裁は計47の起訴内容を全て無罪とした。事件を捜査した地検のトップだった尹錫悦大統領に対する批判が上がりそうだ。
梁被告は11~17年に最高裁長官を務めた。元徴用工訴訟を巡っては、原告勝訴の二審判決を不服とした日本企業が13年に上告した後、最高裁は文在寅前政権下の18年まで結論を出さなかった。18年の最高裁判決で日本企業の敗訴が初めて確定し、日韓関係が冷え込んだ。
検察側は、最高裁が朴政権の意向をくんで判決の遅延や二審判決破棄に向けた工作を行い、梁被告が一連の事件を主導したと主張していた。
不正に関与したとして他の裁判官ら14人も起訴されたが、6人の無罪が既に確定している。