イスラエル、米と人道回廊を協議 ガザ北部住民の避難要求か

12日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファでイスラエル軍の空爆後、運び出される負傷者(AP=共同)

 【エルサレム、ワシントン共同】ブリンケン米国務長官は12日、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザから民間人が退避できる回廊の設置について、ネタニヤフ首相と協議した。イスラエル・テルアビブで記者会見し明らかにした。国連は13日までに、ガザ地区北部の住民約110万人は24時間以内にガザ南部に避難しなければならないと、イスラエル軍から伝えられたと明らかにした。

 米長官は今後、ヨルダンやサウジアラビア、エジプトなど5カ国を行脚し、回廊設置や人質の解放を話し合う。

 ハマスとイスラエルの軍事衝突は12日も続き、同日までに双方の死者は計2700人を超えた。イスラエル軍はガザとの境界近くに多くの戦車を集めており、ガザへの地上侵攻の準備を進めている。バイデン米政権は、民間人被害の拡大を抑えるため、回廊設置を早期に実現させたい考えだ。

 ブリンケン氏は記者会見で、回廊設置の協議を続けるとし「人質を即時かつ無条件で解放するため、それぞれの国へハマスへの影響力を行使するよう求める」と述べた。

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