ガザ境界付近に軍用車両 イスラエル、徹底報復宣言

イスラエル軍の空爆で破壊された建物=10日、パレスチナ自治区ガザ市(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの大規模戦闘が続くイスラエルのネタニヤフ首相は9日、ハマスへの攻撃は「始まったばかりだ」とし、徹底報復を宣言した。イスラエル軍はガザ境界付近の一部で装甲車や砲撃用車両を集め、圧力を強化している。ハマスは拘束する人質の殺害を警告し、軍の地上侵攻をけん制した。戦闘は一層激しさを増し、死者は10日までに計1700人超に上った。

 イスラエル軍が地上侵攻に踏み切り、ガザにあるハマスの拠点などを戦車などで攻撃すれば、さらに犠牲者が増えるのは必至。ただハマスやガザの過激派「イスラム聖戦」はイスラエル人や外国人など計130人以上の人質を取っているとされ、人質の救出作戦との両立は容易ではない。ガザは人口が密集し、人質には子どもや女性、高齢者が含まれるとみられる。

 関係筋によるとカタールが9日、ハマスとイスラエル双方に拘束中の人質の交換を提案した。

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