「ガザ完全包囲」を宣言 イスラエル情勢悪化、人質多数

7日、パレスチナ自治区ガザでイスラエル側の空爆を受け、立ち上る炎と煙(AP=共同)

 【エルサレム共同】イスラエルのガラント国防相は9日、同国に攻撃したイスラム組織ハマスの実効支配地、パレスチナ自治区ガザの「完全包囲」を命じ「電気や食料、燃料を遮断する」と宣言した。既に困窮しているガザ市民の生活への影響は必至。イスラエルメディアなどによると、双方の犠牲者は計1200人以上となった。戦闘は継続しており、情勢は悪化の一途となっている。

 ハマスはイスラエル領内から民間人や兵士を連行。イスラエル人ら100人超を人質として拘束していると表明し、過激派「イスラム聖戦」も30人超を拘束中と発表した。人質解放が難航する恐れがある。ハマスはイスラエル軍のガザ空爆で人質4人が死亡したと主張した。

 イスラエル軍によると、イスラエル領内に侵入したハマス戦闘員との戦いは9日も継続。軍はイスラエル領内の戦闘員全ての制圧を優先する。

 ハマスは9日もロケット弾で攻撃し、イスラエル軍もガザへの空爆を続けた。軍はこれまでに1100カ所以上を空爆したと発表、地下トンネルやハマスが軍事的に利用するモスクが含まれる。

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