中国「海の憲法」巡り対立 ASEAN関連会議声明

ASEAN首脳会議で握手するインドネシアのジョコ大統領(左から5人目)と各国首脳ら=5日、ジャカルタ(ロイター=共同)

 【ジャカルタ共同】東南アジア諸国連合(ASEAN)と日米韓中ロなどが7日にインドネシアで開く東アジアサミット(EAS)の首脳声明を巡り、中国が「海の憲法」と呼ばれる国連海洋法条約に関する一部記述の削除を求めたことが5日、共同通信が入手した声明案で分かった。海洋活動を規制する枠組みとして条約を評価する表現に反対しており、南シナ海の権益を主張する中国の強硬姿勢にASEANの反発が予想される。

 東アジアサミットは計18カ国が参加する枠組み。声明の文言を巡り、南シナ海で環礁を埋め立てるなどして軍事拠点化を進める中国に対し、国際海洋秩序を強調したいASEANや他の域外国との間で攻防が続いている。

 EASを含む一連のASEAN関連首脳会議は5日開幕した。南シナ海のほぼ全域に権益が及ぶと主張する中国が直前の8月末に新たな地図を公表。ASEAN加盟国などアジア各国が反発する中、共同通信が入手した首脳会議の4日時点の議長声明案は地図に触れていない。経済的に重要な中国への過度の刺激を避けた可能性がある。

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