ウクライナ、五輪参加へ方針転換 ロシア選手の中立出場容認

インタビューに応じるウクライナ・オリンピック委員会のフトツァイト会長(共同)

 【キーウ共同】ロシアの侵攻を受けるウクライナが来年のパリ五輪に参加する方針であることが14日、分かった。ウクライナ・オリンピック委員会のフトツァイト会長(青年スポーツ相)が共同通信の単独インタビューで「われわれは五輪に出なければならない」と明言した。ロシアとベラルーシ出身の選手が個人の中立選手(AIN)として出場することは容認する。

 以前はロシア、ベラルーシの選手が出場する場合にはボイコットする可能性を示唆していた。開幕まで1年となり事実上立場を転換した。ただ戦況など情勢次第でウクライナが方針を変える可能性は残る。

 10日のインタビューでフトツァイト氏は「ウクライナの国旗が開会式で掲げられ、選手が自国代表として出場することで、ウクライナの存在を世界に示すことができる」と意義を強調した。

 フトツァイト氏は3千人以上のスポーツ関係者が従軍しているとし「選手たちは友人や両親、チームメートを失っており、心理的にも困難な状況だ」と戦時中の五輪参加の厳しさに理解を求めた。

© 一般社団法人共同通信社