すべてのアーティストがこんなふうにできたらいいのに。そう思ってしまうほど、ぜいたくで楽しい、まさにこのコーナーのタイトルである「玉手箱」みたいな作品だ。
2012年以降にリリースされたシングル全12曲のミュージックビデオと、うち10作品のメイキングやTV-SPOT作品を収録した本作。「4」とあるとおりシリーズとして4作目だが、今回もYUKIのバッチバチのセンスが生きた、楽曲の世界をさらに広げるMVの作品世界を堪能できる。気鋭のアーティストを抜擢したり、魔法のようなコラボレーションを展開したりと、ジャケットのイラストも含めてとにかく素敵で、どれも「みずみずしい」という言葉が浮かぶような、自由さに満ちている。
彼女が抱えるチームももちろん素晴らしいのだろうけれど、その中心にいる彼女自身のクリエイティビティと審美眼が本当にすごいのだろうな……と、こうした作品を見ているといつも感じ入ってしまう。何度でも生まれ変わりながら脱皮しながら表現を探求するその姿から、いつまでも目が離せない。
(ソニーミュージック・3800円+税)=玉木美企子