『ブレス あの波の向こうへ』 穏やかな目線で描かれるサーフィン映画

(C) 2017 Screen Australia, Screenwest and Breath Productions Pty Ltd

 海外ドラマ「メンタリスト」で主人公のパトリックを演じて人気を集めたサイモン・ベイカーが、故郷のオーストラリアの有名作家ティム・ウィントンの自伝的小説「ブレス 呼吸」を映画化したサーフィン映画です。

 主人公は、内気で大人しい性格の少年・パイクレット。近所に住む金髪のワイルドな親友・ルーニーと一緒にいつもやんちゃなことをして遊んでいます。そんな二人がある日、出会うのが、サイモン演じる謎めいた元プロサーファーのサンドー。サンドーからサーフィンを教えてもらううちに二人はどんどんサーフィンの面白さにのめり込んでいきます。パイクレットの目線で描かれるサーフィンの魅力と恐ろしさ、別れの悲しみと初めての恋。胸がキュンと締め付けられるようなひと夏の日々を、落ち着いた目線で静かに切り取っていきます。

 観ているこちらがヒヤヒヤするような、めっちゃくちゃでっかい波はオーストラリアの西側にある大自然の残るビーチで撮影されたCGなしの本物なのだそう。自然との戦いってこんなに恐ろしいものなのか、と私もすごく怖かった。サイモンは、もともとアマチュアの大会で優勝するほどサーフィンの腕前がある人なのですが、彼に負けずに大波にひょいひょい乗っていく二人の少年もプロのサーファーなのだそう。大迫力のサーフィンシーンは、絶対にでかいスクリーンのある映画館で見ることがおすすめですよ! ★★★★☆(森田真帆)

監督・脚本:サイモン・ベイカー

出演:サイモン・ベイカー、エリザベス・デビッキ、サムソン・コールター

7月27日(土)から全国順次公開

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