『運び屋』 88歳になっても魅力あふれるイーストウッド最新作!

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 映画『グラン・トリノ』以来、約10年ぶりの監督・主演となるクリント・イーストウッドの最新作『運び屋』の主人公は、90歳にして麻薬の運び屋になった退役軍人です。実は私、イーストウッドの作品がちょっとだけ苦手でした。もちろん素晴らしい名作ではあるんですが、どうしても重すぎて、観終わった後に大きくため息をついちゃうようなことが多かったんです。それは『ミリオンダラー・ベイビー』も『グラン・トリノ』も、もう最初から最後まで私はどんより暗~くなってしまいました。

 でも! 今回の映画『運び屋』は違います。何と言ってもクリントさんが陽気! 若いしご機嫌! 映画の初めから鼻歌なんて歌っちゃって、陽気な爺さんです。ストーリーも、これまで家庭のことも考えずに働いてばかりだったダメ親父が、自宅まで差し押さえられるという情けないところから物語がスタート。なんとか金を!と思って始めたデリバリー業務がまさか麻薬組織の運び屋だったなんて! イーストウッドは、驚愕の実話を最高のユーモアで映画に作り上げてくれました。

 私がライフワークとしてお手伝いしている映画館「別府ブルーバード」の館長さんも実はイーストウッドと同い年の88歳なのですが、未だにものすごく元気! 二人に共通している若さの秘訣を考えたら、「映画が好き」という気持ち。いつまでも長生きしてほしいですね。★★★★★(森田真帆)

監督・主演:クリント・イーストウッド

3月8日(金)から全国公開

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