なんと、ツアー50本目の公演に収録が入ったようだ。2018年3月~8月まで開催した全国ツアー、その数60本! そのなかから7月、東京国際フォーラム・ホールAでの模様を収録したのが本作だ。ツアータイトルどおり、マッキーのこれまでの楽曲を振り返りつつ、音楽でタイムトラベルを楽しむという趣向。これまでライブであまり演奏されてこなかったナンバーも含まれているとのことだが、この網羅性はマッキー初心者にもぴったりの作品となっている。
BEAMS謹製の、エプロン付きダブルのスーツに身を包んで現れたマッキー。イントロが鳴るだけで胸がざわざわして、驚くほどスラスラと歌詞が口をついて出てくるのは、彼の歌詞が一つの流れる物語になっているからだと改めて思う。そして、どこか唱歌を思わせるような、日本語がはっきりと聞こえるやさしいメロディライン。いつか音楽の先生に教わったみたいに、口を縦に開けて大きな声で歌いたくなる。一緒に歌えば身体もホカホカ。冷え込む冬の風邪予防にも効きそうなマッキーのあたたかな思いが、ライブの時間すべてに充満していた。
(Buppu・6400円+税)=玉木美企子