『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』 白熱のテニスシーンに心臓バクバク!

(C)2017 Twentieth Century Fox

 タイトルの「セクシー」という言葉で、お色気系の映画と勘違いをしてしまう方がいるかもしれませんが、これは史実に基づくスポーツ映画です。中心になる登場人物は、女子テニス界の歴史に残る名プレイヤー、ビリー・ジーン・キングと、1930年代にウィンブルドンと全米でチャンピオンになったことのある元テニスプレイヤーのボビー・リッグス。この映画の舞台になった70年代前半は、女性プレイヤーと男性プレイヤーの賞金格差が大きくあり、女性蔑視も激しかった時代。ビリー・ジーンは、仲間とともに「女子テニス協会」を立ち上げます。そんな彼女に「女なんか大したことない」という男性優位主義のボビーが、「男対女」のbattle of the sexes(性別間の戦い)を挑んだのです。

 ビリー・ジーンをどすっぴんで演じるのは、映画『ラ・ラ・ランド』で注目を浴びたエマ・ストーン。女性同士のラブシーンはとっても美しくて、こちらまでドキドキしてしまいました。また、ボビーを映画館がざわつくほどソックリに演じるのは、映画『フォックスキャッチャー』でその実力を見せつけたスティーブ・カレル。すごく知的で、女性達の権利を背負ってコートに立つ孤独なビリーに対して、女を半分馬鹿にしたようなボビーの態度は本当に鼻について、テニスの対決シーンではつい「イケ〜!」と声が出てしまうほど興奮しました! ★★★★★(森田真帆)

監督:バレリー・ファレス、ジョナサン・デイトン

出演:エマ・ストーン、スティーブ・カレル

7月6日(金)から全国順次公開

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