ショーン・メンデス『ショーン・メンデス』 「音楽を作ったあとは、世の中に任せればいい」

ショーン・メンデス『ショーン・メンデス』

 1998年8月生まれの19歳、所謂ジェネレーションZ=デジタル・ネイティヴといわれる世代を代表するシンガー・ソングライター。ジャスティン・ビーバーやチャーリー・プースと同じく、ネットへの投稿からデビュー、トップ・アーティストになりました。デジタル・メディアでは既成の芸能界やマスメディアに臆することなく自己アピールすることが出来ますが、半面スターになる可能性はそれこそ砂場で針を探すようなもの。ただ本当に良い作品は民意で選ばれます。

 前2作を全米1位にしたプレッシャーを訊ねられた彼は「音楽をクリエイトすることは自分が満足できる音楽を作ること、あとは世の中に任せればいい」とあっさり答えています。エド・シーラン、ジョン・メイヤーさらにジュリア・マイケルズ、カリードと言ったグラミー・ノミネーターをゲストに多彩なサウンドを繰り広げるなか、ジャンルを問わず一貫しているのは彼のエモーショナルなヴォーカル。これが億を越える人々に届くのです。

(ユニバーサル・2200円+税)=北澤孝

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