『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 半分、青い。Part1』NHK出版編 明日の朝がわくわく

 4月から毎朝7時半に起きるようになった。布団の中でウトウトゴロゴロして、やっとこさ8時15分頃むくっと起きる。春眠暁を覚えず? 否、今期の朝ドラ「半分、青い。」に、完全にやられているからだ。

 生後間もないひよこが、初めて目にした動くものを母親と認識するように、思春期に初めて目にしたドラマの脚本家を恋愛ドラマの神様と崇め奉るのは自然なことだろう。「素顔のままで」「あすなろ白書」「君といた夏」「ロングバケーション」と立て続けに観まくった少女は、大人になり「北川脚本? ま、一応押さえとくよね」と嘯いてで朝ドラを見始め、どハマリした。親もハマった。友もハマった。同僚と通勤が一緒になったものなら、星野源の主題歌をイントロから口ずさんで出勤した。ゆえの、7時半~8時15分なのだ。(1)7時半にNHK BSプレミアムで半分、観る。(2)8時からNHK総合で残りの半分、観る。(3)日によってはBSで観て泣いたとこをもっかい総合で観て再度泣く。(4)いい加減起きる。

 なぜ半分ずつ観るかというと、タイトルに因んでるわけではなく、ただひたすらに眠いからだ。うっかり寝てしまった時のためのNHK総合というわけ。ロンバケごっこをしていた中学生も、四十路が見えてきたらリスクヘッジなるものを覚えるというわけ。

 で、前置きが長くなりました。でですよ。満を持しての「NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 半分、青い。」のご紹介ですよ。こちらはドラマをより深く、より立体的に知るための、その名の通りガイドなのです。

 各登場人物のインタビューに、主演の永野芽郁と佐藤健の対談、物語の鍵となる漫画の原作者であるくらもちふさこQ&Aに、物語の舞台である岐阜県東濃地方の紹介、そして我らが神様、脚本を担当している北川悦吏子氏のインタビューも掲載されている。

 主演二人の対談ページの写真はななななんと&なぜかレスリー・キー氏が撮影していたり(お元気そうで何よりです……)、舞台である岐阜の風土や人々のあり方について、岐阜出身の堀江敏幸氏が寄稿していたりと、見た目以上にとんでもなく豪華。読み終えると、明日の朝がワクワクする、そんな一冊だ。

(NHK 出版 1100円+税)=アリー・マントワネット

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