新川優愛と筧美和子、恋人のような大親友 それぞれに聞いた互いのこと

筧美和子(左、撮影:沢田勝)と新川優愛(撮影:宮崎晃)

▽新川優愛と筧美和子、いずれもモデルで女優の2人が大親友であることは、ご本人たちが折に触れて口にしている。筆者がそれぞれにインタビューした際、互いのことをあまりにも朗らかに話してくれて、ほのぼのしたので、その話しぶりをここに記します。「コラムじゃねぇじゃん」とか、言わば言え。まずは昨年、映画『めがみさま』公開のタイミングで取材した新川さんの話。

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▼筆者:新川さんは、人に相談するよりは、相談されるタイプなのかなと思ってましたが。

▼新川:ああ…、どっちもないですね(笑)

▼筆者:どっちでもない?

▼新川:あの、友達がいないんです(笑)

▼筆者:(笑)そういえば、「友達がいない」と新川さんが普通に言ってるのを、以前に何かで見た時に、私はファンになりました。

▼新川:ほんとですか。友達がいなくて、唯一ご飯というか…筧美和子ちゃん。筧美和子ちゃんとは、ほんと週4、週5ぐらいで会ってて(笑)

▼筆者:へ? ペースがすごい。

▼新川:ほんとに。今、あるロケで海外に行ってるんです彼女。ずっと毎日「あと何日で帰ってくるんだったけな?」って数えてて。二十歳の時にドラマを一緒にやらせていただいて(知り合った)。ドラマの最中って、みんな会ったり、終わってすぐは会うんですけど、みんな忙しくて会えないってなっちゃう中で、それでもなんとか予定を合わせて、どちらかの仕事の中空きの2時間ぐらいに、「今から行っていい?」って言って、どっちかの家に行く(笑)

▼筆者:たった2時間でも?

▼新川:会って、「おやつ買ってきた」ってケーキ食べて(笑)

▼筆者:筧さんとそんなにも馬が合うのは何でしょうね。

▼新川:あの、多分、彼女が母のようなんですよね(笑)。ほんとに思うんですよ。テレビで見ていても彼女ふわっとしてゆるいじゃないですか。ほんとにあのまんまで天然で、マイペースというか。私もマイペースなので、同じ空間にいてもしゃべらない時は全然しゃべらないんです。

▼筆者:いちばんいい関係ですね。

▼新川:そう。で、2人でテレビ見て、「あ、この人やせたよね」とか「きれいになったよね」とかしゃべってる(笑)

▼筆者:(笑)美容院の会話だ。

▼新川:ほんとに。主婦の会話みたいで。私がなんかしゃべると「うんうんうん」って聞いてくれるし、気を使わずにいられるというか。この前、お互いにバタバタ忙しくしてて、1週間ぐらい会わなかったのかな、そしたら「そろそろ限界です」って連絡がきて(笑)、次の日に2人で焼き肉(笑)。

▼筆者:2人でいるとラクなんですね。

▼新川:ラクですね。もちろん向こうも違う子とご飯行くこともあるし、でも…、ちょっと(私の話)気持ち悪くなってきましたね(笑)。お互いあんまり愛情表現はしないんですよ、会っている時は。私、結構ずぼらだから連絡しないんですけど、帰ってどっちかが家に着いたぐらいとかに、筧が「今日も会えて嬉しかった」って。もう恥ずかしい!(爆笑)こんなこと話してていいのかな。

▼筆者:(笑)全然ダイジョブです。

▼新川:筧のお母さんとの会話も教えてくれる中で、「優愛ちゃんとは何でも話せるんだー」って言ってるっていうのを聞くとうれしいですし。美和子ちゃんがいないところでお母さんと会ったこともあるんですよ。お母さんも「美和子はねぇ、いつも『優愛ちゃん、優愛ちゃん』って言ってるの」って。そう言われると、やっぱうれしい。“付き合ってる”のかもしれない(笑)。

▼筆者:ほんと恋人ですね。それにしても、社会人になってから親友ができるってなかなかないですよね。

▼新川:なかなかないですよね。時間もないですし、ほんと恵まれてるなと思います。すごく話を聞いてくれるし、知ろうとしてくれるし。

▼筆者:新川さんさっき「ずぼら」っておっしゃいましたけど、ずぼら?

▼新川:私O型で、こだわるところはすごくこだわるんですけど、収納とか。でも基本的におおざっぱなんで。

▼筆者:収納がきちっとしてたら、もうだいぶきちっとしてますけどね。

▼新川:なんですかね。連絡とかマメでもないから。「今、何してる?」って言って、家に行ったり。あと、私のほうが多分男っぽいと思います。例えば「これとこれ、どっちがかわいいかな?」って相談されて、「え、こっちはないでしょ!」とかバッと言っちゃう(笑)。それは、関係性があるから、筧美和子ちゃんにしか私は言えないし、他の人に相談されたら、「これもかわいいけど、こっちの方がかわいいんじゃない?」って言い方を変えるかなって思うんですけど、もう関係性が家族みたいになってきているので言えるし、向こうも分かってくれてるから気にしないから。

▼筆者:ちなみに『王様のブランチ』でMCされていた時、よく見てましたが、新川さん涙もろいですよね。

▼新川:そうなんですけど、よく「うそ泣きだ」って書かれるんですよ。でも、動物が子どもを守る(VTR)とか見たら、そりゃ泣いちゃうよって(笑)。

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▽一方、筧さんには、映画『犬猿』の公開を控えて、先日インタビューをした。

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▼筆者:最後に、映画と関係ない余談ですが、新川さんにインタビューをさせていただいた時、筧さんと一体どこまで仲がいいんだというほどの話を伺いましたが、もしも「実は仲が悪くなりました」ってことならもうスルーしていただいていいんですが、その後も仲はいいですか?

▼筧:(笑)はい、仲いいですね。よく会いますね。

▼筆者:何がそうさせているんです?

▼筧:何だろうなぁ。初めて連ドラをやらせてもらった時に、優愛ちゃんと一緒になって、同い年だったんですけど、今まで会ったことのない感じの空気の人で、私、すごく目で追っちゃったんですよ。

▼筆者:それはもう恋じゃないですか。

▼筧:(笑)そうそうそう。あまり人を寄せつけない、初めは壁があったんですよね。だけどその壁がとれたら、すごく面白いし、あったかい子だし、不思議な人(笑)。醸し出す空気感というか、ほんと恋してるみたいな感じですかね。「何考えてんだろう?」とか。

▼筆者:新川さんは、ちょっと一匹狼的な空気だったってことですか?

▼筧:一匹狼とまではいかないけど、そういう芯の強さが見える感じで、話してみたらすごく面白いし、仲良くなると、全開で来てくれるので、こっちも全開でいられる。包み隠さず、なんかこう、とことん信頼して、信頼してくれるしで。2人でしか話せないこととか、見せられない部分とか多くて。私にとっては、連ドラを初めてやった時に何も分からなくて、自信もなくてって時、一緒に練習してくれたり、「筧は…」、あ、私、筧って呼ばれてるんです(笑)

▼筆者:確かに新川さんはそう呼んでました(笑)

▼筧:「筧はお芝居好きだよね」とか「好きだよ、そういうの(※取り組む姿勢)」って。そんなこと言ってくれる人いなかったので。会ってない時でも支えになるというか、私的には心の支え。

▼筆者:新川さんも「何でも話を聞いてくれる」と、受け止めてもらっているかのようでしたけど。

▼筧:あれ、どうなのかなぁ、私が支えてあげられているか分からないけど、どうなんだろう。

▼筆者:新川さんは、社会人になってからこんな親友ができて「ほんとに恵まれている」と言ってました。

▼筧:そうですね、私も思いますね。この年になって。ケンカしたこともあったし、でもそれで、より仲が深まるっていうか。なかなかこうしてぶつかり合える友達っていないなって。

▼筆者:ケンカもしたんですか。でも犬猿の仲にはならずに?

▼筧:乗り越えましたね(笑)。ほんとカップルみたいですよ、なんか愛情を伝え合って(笑)。

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▽というわけで、筆者は今回、何かを問い掛けるとか、込み入った話とか、何もございません。もしも筆者と同じく、ほのぼのするひとときになったとしたら幸いでございます。

(宮崎晃の『瀕死に効くエンタメ』第107回=共同通信記者)

★新川優愛さんは、セカンド写真集『ATLAS』が3月24日に発売。映画「めがみさま」はDVDが発売中。

★筧美和子さんは、映画『犬猿』が2月10日全国公開。二組のきょうだいの愛憎劇で、お笑いコンビ「ニッチェ」の江上敬子さんと姉妹を演じ、筧さん自身の実体験と重なるような屈辱的なことを言われ、酷い言葉を吐きもする。もう一組の兄弟を演じるのは窪田正孝さんと新井浩文さん。

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