『まんがで分かる! 仕事が速い女性がやっている時間のルール』日経WOMAN編 仕事が遅い私にさよなら

 また仕事をひとつ忘れていた。ボスに指摘されて慌てて提出し、ふうーっとため息。あーあ、私はなんでいつもこうなんだろう。2018年はそんな自分から卒業したい! そんなことを考えていた帰宅途中、立ち寄った書店で本書を発見。「仕事が速い女性がやっている時間のルール」。おお、なんとタイムリー。しかもこれ、私の中でもはや信仰の域にまで達している「まんがで分かる」系のやつじゃないか。だってこの手の本読んで、わからなかったためしがないんだもん。大江健三郎も旧約聖書も、世の中のすべての本が「まんがで分かる」になればいいのに!!

 おっと暴論、閑話休題。そんなこんなでもはや買わない道はないとばかりに、最速で手に取り最短距離でレジへと向かった。この間約10秒。

 本書は、時間に追われ仕事に追われている主人公の明日美が、敏腕コンサルタント・七尾の助言のもと仕事を速く終わらせるためのテクニックを身につけ、成長していく物語だ。ストーリーと交互に紹介されるコラムでは、デスクの整頓術にTO DOリストの作成方法、そして上司から頼まれた仕事の上手な断り方に心と身体の休ませ方まで。あらゆる角度から自身の仕事をマネジメントするためのテクニックが紹介されている。

 そしてこの手の本の最大の見せ場、「主人公の悩み解決。よって恋まで絶好調の法則」も遺憾なく発揮されている。にしても一体なんなの、この流れ。古くは日ペンの美子ちゃんから進研ゼミの勧誘冊子、女性誌の「30日着回しコーデ」的なやつにこの「まんがで分かる」まで、字がキレイになって成績が上がって着回しできて、仕事が順調にこなせるようになって、モテる。彼氏できる。プロポーズされる……って明らかに出来すぎじゃないか。よし、私も仕事が速くなり、彼氏……ってなんねーよ。まずは納期を守れるように頑張ります。

(日経BP社 907円+税)=アリー・マントワネット

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