「子供流鏑馬奉納」練習重ね初挑戦 海星中弓道部5人が披露

 長崎市鍛冶屋町の八坂神社で16日、初めて「子供流鏑馬(やぶさめ)奉納」があった。家族や地域住民らが見守る中、海星中弓道部の5人が見事に的を射抜いた。

 乗馬で市内の施設訪問や街歩き、流鏑馬をする末吉未僖代さん(57)=同市昭和3丁目=が「子どもたちに神事に触れてもらいたい」と企画。射手を募集し、海星中弓道部の5人が応募した。5人は弓道の経験はあっても、馬に乗って弓を射るのは未経験。末吉さんの指導を受け、10月から乗馬練習を重ねた。

 この日、烏帽子(えぼし)をかぶり、華やかな衣装に身を包んだ。1年の立石優花さん(13)は「緊張感が増してきた」。乗馬して眼鏡橋を渡り、5人が交代しながら奉納する八坂神社まで約1・5キロを練り歩き、観光客らの視線を集めた。

 拝殿で成功祈願をした後、一人一人乗馬で境内の馬場を回った。馬を止め、家族らの健康などを祈願しながら各2本の弓を射た。全員が見事的に命中させた。

 末吉さんは「練習では外していたが、本番で射抜けてよかった」とほっとした様子。2年の村中瑞央さん(14)は「不安だったけど、当たった時の喜びは大きかった」と笑顔を見せた。

 見守った同市御船蔵町の蒲倉正元さん(68)は「初めて生で流鏑馬を見てうれしい。若い子たちに神事が継承されていいこと」と拍手を送っていた。

子供流鏑馬(やぶさめ)奉納が16日、長崎市鍛冶屋町の八坂神社で初めてあった。馬にまたがった子どもたちが的を目掛けて弓を引いた
流鏑馬を奉納する八坂神社に向けて馬を引く末吉さん(左から2人目)と子どもら=長崎市古川町

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